えびすや家づくり勉強会

よい家は「窓」が決め手 えびすや家づくり勉強会第7回 Vol.2

第7回えびすや家づくり勉強会Vol.2は窓の種類についてです。
窓は、アルミサッシの時代から樹脂サッシの時代へさらには木製サッシへと
移り替わっていっています。

サッシにはアルミ枠・樹脂枠・木枠の3種類がある。

日本では窓サッシといえばアルミサッシの事でした。
そのことに何の疑問も持ちませんでした。
しかし海外では、樹脂サッシが当たり前のように普及していて、ドイツではさらに断熱性の高い木製サッシも良く使われています。
日本でも最近はスマートウイン(佐藤の窓)という超高性能な木製サッシがパッシブハウス用に良く使われるようになりました。
サッシの性能を比較するには、熱貫流率(U値)が使われます。
この値が大きいほど熱をよく通すので断熱性が低いです。

上の表は窓枠とガラスを含めた熱貫流率を表したものです。
オール樹脂のフレームとトリプルガラスの窓とこれまでのアルミ枠でシングルガラスとの断熱性能の差はなんと7倍以上となります。
ちなみに、先程少し触れた、木製サッシの「佐藤の窓」では窓全体のU値は0.62です。
アルミ枠+シングルガラスの窓とは10倍以上という驚異的な性能差になります。
この差は、ガラスの違いによるところも大きいですが、窓枠の素材の違いによるところにも大きな違いがあります。
それをよく表しているのが下表の数値です。

この表は、各素材の熱の伝わりやすさを示す熱伝導率を表したものです。
この数値が大きいほどよく熱を伝える、つまり断熱性が低い素材だということになります。
この表で見ると、アルミは238、樹脂は0.17、アルミは樹脂の1400倍も熱を伝えやすいということになります。木に至っては熱伝導率が0.1、樹脂よりもさらに小さいので2380倍の差ということになります。
これまで当たり前のように思って使っていたアルミサッシがいかに不都合なものであったかということが良く分かりますね。(*´Д`)


次にガラスについて少しご説明をします。
ガラスには皆さんも良くご存じの1枚のフロートガラスがあり、2枚のペアガラス、そして、そのガラス面に金属の膜をコーティングしたLow-Eガラス、ガラスとガラスの間の空気層に空気より断熱性の高いガスを入れた、アルゴンガス入りペアガラス、クリプトンガス入りペアガラス、さらには、そもそも空気を抜いた真空ペアガラス(下イラスト参照)があります。

※日本板硝子H.P.から引用


キリがありませんが、この上にさらに高性能なガラス3枚のトリプルガラスがあります。
トリプルガラスにも、ペアガラスと同じようにガスを入れたり真空にしたりして断熱性を高めたものがあります。以下に表にしてまとめてみました。

 

この表で見てわかる様に一枚のガラスに比べて真空ガラスのペアガラスでは約4.3倍から6倍,トリプルガラスに至っては7.5倍もの断熱性能の差があります。
ガラスをどれにするかということも快適な家づくりには大事だということが分かっていただけたかと思います。

もう一つ、窓ガラスについて、押さえておくことがあります。
先程からの説明の中にでてきていますが、Low-Eガラスというものについてです。
これはガラスの表面に遠赤外線を反射するLow-E膜(熱の移動を抑える低放射膜)をコーティングしたものです。
膜をコーティングする位置とその数によって日射取得型と、日射遮蔽型に分かれます。
寒い日に日差しを取り入れたい場合は下のイラストの日射取得型、夏の暑い日に西からの日差しを遮りたい場合は日射遮蔽型を使用します。

YKKAP H.P.から引用

弊社では、新築工事の場合窓は、YKKAPの樹脂サッシを採用するようにしています。
ガラスは基本的にはトリプルガラスが標準で、真空ガラスになるのか、ガス入りになるのかはその時の条件によって変えるようにしています。

次回Vol.3は「何故、高断熱の窓でないといけないのか?」についてです。
ここでは、冬場の嫌な結露やそれによる健康被害についてご説明します。



えびすや家づくり勉強会アーカイブ
第7回 テーマ:よい家は「窓」が決め手 Vol.1
第6回 テーマ:よい家は「断熱」「気密」が大事
第5回 テーマ:よい家は断熱に優れている

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