よい家は「窓」が決め手 えびすや家づくり勉強会第7回 Vol.3
2022.10.19
第7回えびすや家づくり勉強会Vol.3は日本の窓事情についてです。
Vol.2で、窓の種類について学びました。
では、日本の窓事情は、いったいどのようになっているのでしょうか?
少し古いデータですが平成27年の日本の窓の材料別構成比のグラフを見てみると、樹脂は15%、アルミ樹脂複合が36%、アルミはなんと49%です。
平成27年、今から7年前には、日本の窓はアルミサッシが約半分を占めていて樹脂サッシはわずか15%だったということがわかります。
下のグラフは2021年の窓の材料別構成比です。今から1年前ということになりますが、さすがにアルミ製は10%まで比率が落ちて、アルミ樹脂複合タイプが67.5%と大きくシェアを伸ばしています。
ただ、樹脂サッシは22.3%とあまり大きくは変化していません。
では、世界の窓事情はどうでしょうか?
国によって調査した年は様々ですが大体の傾向はわかります。
下の図では日本の樹脂窓の構成比は20%ですが、アメリカは65%、イギリスは76%、中国は30%、ドイツは63%、フランスは68%、お隣の韓国は80%となっています。ただ中国は調査年が2000年ですので日本の調査年と同じ2018年ではかなりの比率アップが予想されます。
また、ヨーロッパの国々は木製窓の比率もかなりあって、ほぼすべての窓が樹脂か木で作られています。
そのことを示すグラフがあります。
これは平成24年、今から10年前のデータです。日本を除く各国のアルミ窓の比率は数%で、ほとんどが樹脂窓かそれよりも断熱性の高い木製窓になっています。
こうなってしまった背景は、日本にはこれまで、法的義務として守るべき窓の断熱性能に関する最低基準がないどころか、家全体の断熱性能についてさえ義務基準がありませんでした。
それに加えて、住まい手の断熱性能に関する意識が低かったことがあげられます。
上の表は各国の窓の断熱性能の最低基準を表したものです。日本の基準の低さが際立ちます。しかも、先に述べたように、日本はつい最近までこれらの数値は目標値であって義務ではありませんでした。
今年になって、やっと2025年から義務化されることが決まったということで、世界の水準からは大きく遅れています。
しかしながら、これからは、環境破壊や、SDGS、ロシア、ウクライナ紛争によるエネルギー危機の問題等々で住まい手の意識も変わり始めていますし、省エネに対する関心はますます高まっていくことが考えられます。私たち一人一人が、できるところから省エネについて考え行動に移していくことが、とても大事になってきます。弊社としても、住まいの断熱化・省エネ化を進め、これからの時代に求められる住まいづくりを提供していきたいと考えています。
えびすや家づくり勉強会アーカイブ
第7回 テーマ:よい家は「窓」が決め手 Vol.2
第7回 テーマ:よい家は「窓」が決め手 Vol.1
第6回 テーマ:よい家は「断熱」「気密」が大事
第5回 テーマ:よい家は断熱に優れている