「空き家」どうすればいいの?#4 ~空き家を売却する~
2023.03.18
皆さんこんにちは!
「空き家」どうすればいいの?第4回目は、「空き家を売却する」です。
ご自身やお身内の方では利用しない場合には、売却して手放してしまうという手段があります。
空き家を売却する
所有している空き家をどうにかしたい、と思ったときに、まず思いつくのが「売却」という方も多いのではないでしょうか。
不動産の売却は複雑で難しいイメージがあるかと思いますが、実務的な部分は不動産会社がほとんど行いますので、実はそれほど難しくはありません。
それよりも重要なのは、空き家の状態や活用状況などから、売却を含め「どの選択肢が最も適しているのか」をご判断いただくことだと思います。ここではその一助となるよう、空き家を売却する際のメリット・デメリットと、注意点をご紹介します。
メリット
・手放せるので、管理が不要になる
前回まででもお話してきた、空き家を所有する上でネックになる「管理」ですが、物件を手放すなら当然不要になります。スムーズに引渡するためにも、所有している間は最低限の管理は行っておきましょう。
・現金化できる
物件の状態や所在する場所にもよりますが、売却が成立するとまとまった金額の代金を手に入れることができる可能性があります。発生した利益に課税があることは気を付けなければなりませんが、空き家特例等の制度をうまく利用できれば、税金の負担を減らすことができます。
・固定資産税などの税金を支払わなくてよくなる
不動産を所有していると、毎年固定資産税や都市計画税などの納税義務が発生します。郊外の空き家であればそれほど金額は高くないかもしれませんが、使っていない物件にお金を支払い続けていると考えれば、もったいない気がします。売却すればそれがなくなるわけですから、その分ほかのことにお金を回せます。
・精神的に楽になる
これは人によるとは思いますが、中には空き家を所有していることが負担と感じている方もいらっしゃいます。特に高齢の方であれば、相続の際のことも考えられてできれば自分の代で処分を、とご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。ご売却が叶えばその精神的な負担が取り除くことができます。
デメリット
・収益化、将来の利用ができなくなる
売却をすることで、その物件を賃貸に出し継続的な収益を生んだり、将来ご自身やお身内の方がその物件を利用することができなくなります。ご自身のライフプランをしっかり考えて判断する必要があります。
・物件によっては売出しのために費用が掛かる
敷地の境界をはっきりさせるための境界確定や、建物内外の不要物を撤去するためなど、物件によっては売却のための費用が発生する場合があります。費用の支払い時期はケースバイケースですが、場合によっては自己資金からの持ち出しで支払うことももちろんありますので、事前に不動産会社としっかり打ち合わせておくことが重要です。
・物件によっては何年も売れないことがある
これは不動産売買において常に付きまとうことですが、一般に売却する場合、物件が売れるかどうかは売り出してみないとわかりません。物件によっては数年間売れ残ってしまうこともあるため、売れたときの代金を当てにして考えるのは危険性が伴います。
「売れない」空き家もある?
ここまで、売却できることを前提にお話をしてきましたが、中には残念ながら売却できない(売れにくい)物件もあります。
・権利関係に問題がある
相続人が特定できず相続登記が完了しない、差し押さえや抵当権など第三者の権利が付されている、共有者の一部が売却に賛成していない、など権利関係に問題がある場合は、まずそこを解決しなければ所有権の移転(物件の引渡し)ができないので売却できません。解決するには弁護士や司法書士などに依頼しなければならない場合も多く、費用も時間もかかってしまう場合があります。中にはそれでも解決できない場合もあるようです。
・物件自体に問題がある
土地がひどく汚染されていたり地盤があまりにも軟弱であるなど、その土地を利用することがはばかられるような場合には、買い手がつかない場合があります。これは解決が難しく、場合によっては売却自体をあきらめなければならないこともあります。
また売れにくい物件で言えば、前面道路が狭い(接道がない)物件も挙げられます。敷地まで車で入っていけない、道路に接しておらず建物の再建築ができないなど、用途が絞られる物件は「売れにくい」といえます。しかしそれは買い手の幅が狭まるというだけで、可能性がないわけではありません。隣地の方に買っていただく、周りの土地も巻き込んで売却計画を立てるなど、可能性を広げる方法は色々とあるかと思いますので、お悩みの方は是非不動産会社へご相談してみてください!
まとめ~空き家を売却する~
空き家を自己利用や賃貸などをせずただ所有しているだけという方は、管理の手間もお金も「もったいない」状況といえます。もちろん上記したように、全ての物件が期待通りに売却できるとは限りませんので、まずはプロにご相談いただくのが一番だと思います。物件やご自身の状況、今後のライフスケジュールを考えてみて、最もご自身に適した選択肢は何か、是非考えてみてください。
森安勇介
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