農家じゃなくても農地が買える??
2023.06.10
皆さん、こんにちは!
6月に入りました。6月といえば梅雨、ですね。
岡山も梅雨に入り、どんよりとした毎日が続いています。
こんな天気でも、屋外でお仕事をされている方も当然多くいらっしゃると思います。 本当にお疲れ様です。
そんな6月ですが、田植えの時期でもありますね。
今年えびすやでは、もち米を植えて、収穫したお米で年末に餅つきをしようと計画中です!
皆さんにも楽しんでいただけるような催しに出来ないか、鋭意検討中ですのでお楽しみに!
今日はそんな日本人のDNAとも呼べる“お米”や野菜等を作るのに欠かせない「農地」についてのお話です。
田んぼは農家でなければ買えない?
皆さんは、「田んぼは農家さんしか買えない」というお話を聞いたことはあるでしょうか。
これは、正確には誤りなのですが、確かにわかりやすい言い方でもあります。
基本的に土地や建物などの不動産は、当事者の合意があれば譲り渡すことができます。
しかしこの“田んぼ”を含む「農地」だけは、「農地法」という法律によって譲渡が制限されています。誰でも農地を買えるわけではないのです。
農地を農地のまま使うのか、転用して住宅用地など別の用途で使うのかによって話は異なりますが、例えば都会のサラリーマンが、脱サラをして地方で田んぼを買って米農家になろう!と思っても、農地法の制限を受け田んぼが買えない、ということになるのです。
農地を買う条件
じゃあ農地はだれが買えるのかというと、「一定規模以上の農地を耕作」し、「年間150日以上農業に従事」し、「必要な営農計画を提出」した人です。
一定規模以上とは、地域によって異なりますが、原則50a(5000㎡)以上となっています。これはこれから取得する土地でもいいので、上の例で挙げたサラリーマンが50a以上の田んぼを買う予定であれば、制限はクリアできるかもしれません。
しかしなかなか50aを超える農地を新規取得するのは難しいため、既に一定規模の農地を耕作している実績のある「農家さん」が農地を取得しやすいのです。
下限面積を撤廃!小さな農地からでも所有できるように!
しかし!
今年の4月、ある革新的な改正が農林水産省によってなされました。
それが、
「耕作面積の下限面積の撤廃」
つまり上で書いた、50a以上耕作しなきゃだめですよ、という制限がなくなったのです!
それだけ?と思われるかもしれませんが、この撤廃はかなり大きな意味を持ちます。
下限面積がないということは、どれだけ小さな農地でもきちっと農地として利用するなら取得していいですよ、ということです。
例えばあなたが所有する50㎡程の小さな畑が隣接している田舎の中古住宅を売却しようと思ったとします。
今までであれば、畑の部分は一定規模以上耕作している農家さんにしか売れないので、そういう方を探すか、畑以外の部分のみ売るしかなかったのです。
売主さんとしては不要な不動産を処分したかったのに、畑が手元に残ってしまうことになりますし、買主さんもせっかくの田舎暮らしなら自分で野菜を育てたいなと思っても畑は取得できませんでした。
それが今回の改正で、その中古住宅を買って住む人が、隣の畑も家庭菜園として利用するという理由付けをしてセットで買えるようになりました。田舎の物件を選ぶ方の中には、ちょっとした畑や菜園などを持ちたいと思われる方も多いので、買主さんにも売主さんにもいいお話です。
つまり、いままでほとんど「農家さん」しか買えなかった「農地」が、農家以外の方にも自作地として取得できるようになった、ということです!
家庭菜園をされたい農家以外の方はたくさんいらっしゃると思いますので、売主さんも買主さんもWin-Winですね!
もちろん今回の改正で、全ての農地が誰でも好きなように取得できるわけではありませんし、地域によって規制の緩い厳しいがあるようなので、万事解決とはいきませんが、少しでも現在の農地問題を解決できるきっかけになるといいですね。
森安勇介