【レポ】「北欧のあかり展」に行ってきました!
2025.08.18
福岡県の九州産業大学内にある美術館で、北欧のあかりについて学べるあかり展が開催されていたので、弾丸で行ってきました!
実は(多分)同じイベントが、春ごろに大阪と東京で開催されていて、とても行きたかったのですが都合がつかず泣く泣くあきらめたという経緯があり、今回の開催を知ったときは「これは絶対に行かねば」と即決しました!
また、これはどうでもいい話なのですが、節約と冒険を兼ねて、岡山から福岡まで下道で行ってみました。夜7時過ぎに出発をして、ナビでは8時間58分の予定、実際には途中で3時間ほど仮眠をとったりしたので、12時間以上かかりました。

広島を超え山口を半分過ぎたころから、なじみのない道なので新鮮で楽しくドライブできましたが、もう二度と下道では行かないと思います。さすがに長すぎました。

そんなこんなでようやく美術館につき、展示を見ることができました!今回の展示は一部を除き、写真・動画撮影、SNS投稿OKということだったので、遠慮なく撮影できるものはすべて撮影してきたので、いくつか写真をお見せしながら振り返りたいと思います。
・ヒュッゲ(hygge)

デンマーク語で「居心地のよい時間や空間」を意味する言葉です。近年建築業界でも北欧スタイルはとても人気で、このヒュッゲという言葉を使っている建築会社さんも見かけます。
ヒュッゲとは今回の展示の本筋を表す言葉で、北欧の人々がいかに工夫して心地のよい暮らしを作り出しているのかについて展示されていました。
・「夜は昼にはならない」/ポールへニングセン

近代照明の父と呼ばれるポールへニングセンの残した言葉です。私は今回の展示でこの言葉が最も印象に残っています。
緯度の高い北欧では、季節によっては一日中暗いような時期もあります。だからこそ、照明で無理やりにぴかぴかと明るくするのではなく、暗さを受け入れたうえで必要な個所に必要なだけあかりを置くという考え方が生まれました。
画像のコメントにもありますが、明るすぎるといわれる日本の建築に一石を投じ、あかりへの考え方や使い方を改めて考えるきっかけとなります。
・暗きを良しとして受け入れる

上にも書きましたが、むやみに明るくするのではなく、暗さをベースとした空間の中にあかりを置いていくイメージです。光量のみで考えるのではなく、あかりとその光が照らす空間の美しさを考えながら照明の計画を考えると、より素敵な心安らぐ空間になります。
・暖かみのある色のあかりを好む

リビングやダイニングなどのくつろぐ空間の照明には暖かみのある電球色を採用します。電球色はオレンジ色に近く、夕焼けの光を彷彿とさせます。そして夕焼けは水平線近くの低い位置にあり、照明も同じように低い位置においてあげると落ち着きを感じるのだそうです。
・必要なところにはしっかりと明るさを

部屋全体は暗さをベースにしてはいますが、キッチンや読書スペースなど作業スペースには適切な明るさの照明を用います。大事なのは使い分けです。
・窓辺のあかりで景色との調和を楽しむ

これも新鮮だったのですが、北欧では昼間でもあかりを灯すことが多く、窓からの自然光とランプの光の調和を楽しむそうです。植物の緑とあかりの調和を楽しんだり、窓辺でそとの光を受けながらランプのあかりで読書をしたりします。日本ではなかなかない考え方で、北欧の人々の調和の考え方はとても面白いです。
・ポールへニングセン

近代照明の発展に貢献した、北欧の三大巨匠のひとりです。1984年にデンマークに生まれ建築学生を経て、建築家・批評家・デザイナー、映画監督など多岐にわたって活躍しました。
・PH5

ポールへニングセンがデザインした中でおそらくもっとも有名な照明です。意匠性だけでなく、光源が直接見えずまぶしくない設計で、更に内部の小シェードに青と赤の着色をすることで、人間が最もまぶしく感じる緑色と黄色の光を弱めているのだそう。まさに傑作と呼ぶにふさわしい照明です。
・PHアーティチョーク

「松ぼっくり」の相性でも知られるPHアーティチョークも、ポールへニングセンの代表作です。画像ではよく見たことがありましたが、実際に展示されているものをみると想像の倍大きくて驚きました。
まだまだ載せたい写真はありますが、きりがないのでこの辺で...
北欧と日本は地理的にはかなり距離がありますが、文化的にみるととても親しい関係です。
照明や家具など北欧のデザインは、図らずも日本のデザインと調和します。
私は、北欧のプロダクトも素敵で大好きですが、何よりその考え方・価値観にとても魅力を感じています。
今回の展示では、「夜は昼にはならない」の言葉が意味するように、環境に対して無理に逆らわず、自然の中の人間として暮らしていける余裕を持つことが大切なのだと教えてもらいました。
えびすやの家づくりにも共通する部分もありながら、今後取り入れたいポイントも多々あり、とても刺激を受けた弾丸旅行となりました!
ちなみに帰りはさすがに高速を使いました。たった5時間で帰れました!