【思ったこと】「大手だから安心?」住宅会社選びで考えておきたいこと
2026.09.05

家づくりを考え始めたとき、住宅会社選びで「安心感」を重視する方は多いと思います。
特によく聞くのが、
「大手なら潰れないから安心」
「長期保証があるから安心」
という言葉です。
もちろん、企業としての規模や実績、品質管理、充実した保証制度など、大手ハウスメーカーならではの安心感はたくさんあります。
一方で、家は30年、40年、50年と住み続けるもの。
そう考えると、住宅会社選びで考えたい「安心」は、会社の大きさや保証年数だけではないのかもしれません。
きっかけは、大和ハウスのニュース。
先日、大和ハウス工業から、新築戸建住宅事業の展開エリアを大幅に見直すという発表がありました。
「住宅事業から撤退」ということではなく、
来年度から新築戸建住宅の展開地域を都市圏中心のエリアに絞るというものです。
背景には、人口減少や住宅着工戸数の減少、建築費の高騰などがあります。
なお、すでに大和ハウスで家を建てている方へのアフターサービスについては、
今後も全国で継続するとされています。
ですから、今回のニュースを見て「大和ハウスで建てた家は今後面倒を見てもらえない」という話ではありません。
ただ、私が興味深いと感じたのは、
たとえ大手であっても、時代や市場の変化に合わせて事業エリアやサービスの形は変わっていくということでした。
これから新築住宅市場が縮小していけば、
他の住宅会社でも同じように事業エリアや体制を見直す動きが出てくるかもしれません。
「会社がなくならないこと」と「今と同じサービスが、同じ地域で何十年も続くこと」は、少し違う話なのだと思います。
その家は、将来誰が直せるのか。
そしてもう一つ、住宅会社選びで考えておきたいのが、
将来、その家は誰が直せるのかということです。
大手ハウスメーカーの住宅には、メーカー独自の構造や部材を使用したものが多くあります。
こうした独自技術は、品質や性能を安定させるうえで大きなメリットがあります。
一方で、いわゆる「クローズド工法」と呼ばれるようなプレハブ住宅では、将来、間取りを大きく変えたり、増築したり、構造躯体に関わるリノベーションをしたりするときに、地域の工務店では簡単に対応できない場合があります。
家を建ててから何十年も経てば、家族構成も暮らし方も変わります。
建てた会社がどうなっているかだけでなく、
「この家は、何十年後も地域の誰かが手を入れられる家なのか?」
ということも、実は大切なポイントではないでしょうか。
「60年保証」なら、60年間安心?
最近では「60年保証」など、長期間の保証を掲げる住宅会社も増えています。
ただし、こうした長期保証は、60年間すべてが無条件で保証されるという意味ではありません。
一定期間ごとの点検や、必要と判断された有料メンテナンスなどが、保証延長の条件になっている場合があります。
もちろん、家を長持ちさせるために定期的な点検やメンテナンスをすること自体は、とても大切です。
だからこそ、
「保証が何年あるか」だけではなく、
どんな条件で保証が続くのか。
誰がメンテナンスするのか。
その体制が将来変わったらどうなるのか。
そこまで確認して住宅会社を選ぶことも大切だと思います。
では、工務店なら安心なのか?
ここまで書くと、「だから大手ではなく地域工務店で建てましょう」という手前みそな話に聞こえるかもしれません。
でも、そう単純な話ではありません。
地域の工務店だって会社です。
30年後、50年後まで絶対に会社が続いていると約束できる会社はありません。
だからこそ私たちが大切だと思うのは、
建てた会社だけに頼らなくても、将来きちんと手を入れて住み継いでいける家をつくることです。
正確に建てられた木造住宅で、図面や住宅履歴がきちんと残されていれば、
将来、別の大工さんや工務店が修理や改修をすることもできます。
もちろん私たちは、責任をもって末長くお客様の家を見守り続けたいと思っていますし、
現状ありがたいことに潰れる予定もありません。
でも、それとは別に、
「もし私たちがいなくなっても、この家はちゃんと直していける」
そんな家をつくっておくことも、つくり手としての責任だと思っています。
本当の「安心」って何だろう?
会社の規模、ブランド、長期保証。
どれも住宅会社を選ぶうえで、大切な安心材料です。
でも、家は「建てて終わり」ではありません。
10年後、30年後、50年後も、その場所に建ち続けます。
だから住宅会社を選ぶときには、
「この会社なら安心か」だけでなく、
「この家を、この地域でずっと直しながら暮らしていけるか」
という視点も持っていただけたらと思います。
えびすやも、建てた家に何かあっても「えびすやに相談すれば大丈夫!」と思ってもらえる会社でありたい。
そして、いつか私たち以外の誰かがその家に手を入れることになっても、きちんと次の世代へつないでいける。
そんな家を地域に残していきたいと思っています。
森安勇介


