ZEHなら高性能住宅?「高性能な家」について考えてみました
2026.09.07

家づくりを考えていると、「ZEH(ゼッチ)」という言葉をよく目にすると思います。
「ZEH水準の家」「ZEHが標準仕様」と聞くと、なんとなく「高性能な家なんだろうな」という印象を持つ方も多いのでは?
もちろんZEHは、省エネルギーな家をつくるための大切な基準です。
ただ、「ZEHだから高性能住宅」と考えてしまうのは、少し違うかもしれません。
そもそもZEHって?
ZEHとは「Net Zero Energy House」の略。
簡単に言えば、家の断熱性能を高めて、エアコンや給湯などの設備を省エネにし、さらに太陽光発電などでエネルギーをつくることで、年間のエネルギー収支をおおむねゼロ以下にすることを目指した住宅です。
本当はもう少し細かな決まりがありますが、今回は、家そのものの断熱性能について注目してみます。
ZEHで求められる断熱性能は、「断熱等性能等級」でいうと等級5にあたります。
では、等級5はどのくらい高性能なのでしょうか。
ZEH水準は、もう「最低基準」になっていく

現在の断熱等性能等級には、ZEH水準の等級5よりさらに上に、等級6、等級7があります。
そして実は、日本では2025年4月から、原則としてすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられました。
住宅の断熱や省エネ性能について、ようやく「最低限ここまではやりましょう」という基準が、すべての新築住宅に求められるようになったわけです。
さらに国は、遅くとも2030年度までに、この最低基準をZEH水準まで引き上げる方針を示しています。
つまり現在、
「ZEH水準が標準仕様です」
と聞くと、それなりに高性能な住宅のように感じるかもしれません。
でもZEH水準は、これから先もずっと「高性能の目標」であり続けるものではなく、
数年後には新築住宅ならクリアしていて当然、という水準になっていく予定なのです。
これから建てる家は、何年住むだろう?

ここで少し考えてみたいのが、家を建てたあと何年そこに暮らすのか、ということです。
30年、40年。場合によっては50年以上住み続けるかもしれません。
その一方で、ここ数年の夏を振り返るだけでも、猛暑や酷暑という言葉を聞くことが珍しくなくなりました。
さらに電気代をはじめとするエネルギー価格も、これからどうなっていくかは分かりません。
そう考えると、
「今の最低基準をクリアしているから大丈夫」という感覚だけで、これから何十年も住む家をつくっていいのか?
と僕は思います。
もちろん、性能を上げれば上げるほど良い、という単純な話でもありません。
建築費とのバランスもありますし、その土地の気候や暮らし方によっても、ちょうどいい性能は変わります。
大切なのは「ZEHだから」「高性能住宅と書いてあるから」で判断するのではなく、その家が実際にどのくらいの性能を持っているのかを知ったうえで選ぶことではないでしょうか。
じゃあ、「高性能」ってなに?
そもそも家の性能は断熱性能だけで決まるのでしょうか。
実は、快適な家をつくるためには、断熱性だけでなく、気密、日射、熱橋など、いろいろな要素が関係しています。
次回は、「そもそも住宅の性能って何?」というところから、もう少し詳しく考えてみたいと思います!

この記事を書いた人
森安勇介
えびすや株式会社 代表取締役 / 宅地建物取引士
大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介を経験し、家業であるえびすやへ。2025年に代表取締役に就任。現在は建築についても日々学びを深めながら、「自分がお客様だったらどう感じるか」という目線を大切に、分かりやすく納得できるご提案を心がけています。


