家の快適さは“断熱+気密”だけじゃない。カギは「換気」にある!
2025.08.24
「家を建てるなら、断熱と気密が大事!」
-ここ最近は雑誌やネットで特によく見かけます。
もちろんそれは大正解です。
夏の暑さや冬の寒さを和らげて、
省エネにもつながる大切なポイントです。
でも実は、
それだけでは“本当に快適な家”にはなりません。
どんなに断熱や気密を良くしても、
湿気がこもってジメジメしたり、
空気が滞留して埃っぽい室内環境だったら、
気持ちよく過ごせませんよね。
そこで大切になるのが「換気」です。
今回は「住宅の換気の重要性」について、わかりやすくお話ししてみます。
断熱・気密だけでは足りない理由
断熱性と気密性を高めると、
外の暑さや寒さの影響を受けにくくなり、
冷暖房の効率が上がります。
いわば“家の魔法瓶化”。
ただしその一方で、気密性が高まると
「空気が入れ替わりにくい」
という側面が出てきます。
昔の日本家屋は隙間風が多かったので
自然に換気されていましたが、
現代の住宅はそうはいきません。
そのため、換気計画を考えないと、
・湿気がこもってカビやダニの原因になる
・二酸化炭素が溜まって頭がボーッとする
・花粉やホコリも滞留しやすい
といった問題が起きてしまうのです。
つまり、
断熱・気密が“家の服”なら、換気は“家の呼吸”
のようなもの。
服をしっかり着込んでも、
息苦しかったら快適とは言えませんよね。
換気の役割とは?
2003年以降に建てられた家では
「24時間換気システム」
が義務づけられています。
これは、
シックハウス症候群を防ぐために
必要とされているものです。
換気には大きく分けて3つの方式があります:
第1種換気:
給気も排気も機械で制御するタイプ。空気の流れを最もコントロールできる。全館空調と相性が良い。
第2種換気:
給気を機械で行い、排気は自然に任せるタイプ。病院やクリーンルームで多い。
第3種換気:
排気を機械で行い、給気は自然に取り入れるタイプ。日本の一般住宅ではこれが多い。
第1種換気は初期費用こそ高いですが、
最も効率よく換気ができます。
換気がきちんととれていると、
・呼吸による二酸化炭素
・料理や洗濯などから出てくる湿気やホコリ
・衣服などについている花粉
・ハウスダスト
なども効率よく排出され、新鮮な空気を取り入れられます。
新鮮な空気の中で生活をすることは、
・アトピー症状が治まる
・風邪をひきにくくなる
など健康面でもとてもメリットがあることがわかっています。
つまり換気は、
空気の質、ひいては健康を保つための
“見えない掃除”
のような役割を果たしているのです。
3つの要素はバランスが大切
家を“人間”に例えるなら、
- 断熱=服を着て体温を守ること
- 気密=服の隙間をなくすこと
- 換気=呼吸
のようなものだそうです。
どれか1つが欠けても、快適さは半減してしまいます。
実際に
「高断熱の家に住んでみたら、結露やカビに悩まされた」
という声を聞くこともあります。
それは断熱や気密に力を入れすぎて、
換気の設計が不十分だったケースです。
つまり、
家の快適性はトータルバランスで決まるのです。
まとめ
住宅の性能を語るとき、
どうしても「断熱」や「気密」が注目されがちです。
もちろんそれは大切な基盤ですが、それだけでは足りません。
快適で健康的な暮らしのためには、
計画された換気で空気をきちんと入れ替え、
効率のいい空調で家全体を適温に保つことが欠かせないのです。
(空調もとても重要な要素なので、また後日記事を書きたいと思っています。)
えびすやでは、
断熱や気密の性能向上はもちろん、
換気や空調も含めた
“トータルでの住まいづくり”
を大切にしています。
家を建てるときに
「何を優先したらいいかわからない」と思ったら、
ぜひ気軽にご相談ください。
一緒に“本当に快適な家”を考えていきましょう。